アニメとまんがで日本語を勉強するなら

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アニメやマンガを見て日本語に興味を持った人は、今とても多いですよね。私が働いているアカデミアでも、10代〜30代ぐらいまでは、大体みんなアニメがすきで、日本語を習いに来ています。

でも、アニメで見聞きする日本語と、クラスで教科書で勉強する日本語の間に、ギャップを感じたりする事はありませんか?

実は、日本語は、文を書く時と話す時では、言葉の使い方が全然違うんです。今日はその説明をしていきます。

先程も言ったように、日本語では、書く時と話す時では、言葉の使い方が全然違います。

大昔は、一般には、物を書くという文化が日本にはありませんでしたから、宮廷などでは、中国から伝わってきた言葉(漢字)を使って書いていました。だから、書く時は中国語、話す時は日本語という二重構造があったんですね。

しかし、時が経つにつれ、使うのは漢字だけど、その書いてある文章は、日本語の文法に沿った書き方をするようになっていきます。そして今から大体1000年ぐらい前にひらがな・カタカナができましたので、そこからは話す言葉と書く言葉が徐々に統一されていきます。だから、今も書く言葉と話す言葉が違うのは、その時の名残りかも知れませんよね。

日本語の文語と口語

書く時の書き方を文語、話す時を口語と言います。現在はもちろん、文法は文語も口語も同じですが、文語は、きちんとした書き方なのに対し、口語はそれをもっと崩した形、自由な形になります。片方は写真、もう片方はピカソの絵、みたいな感じですね。

だから、日本語の文法がまだ良く分からない、聞き取りがまだ良く出来ない人にとっては、文語より口語の方が、ちょっと難しく感じるかもしれないですよね。

例えば、仕事や会議など、フォーマルな席では、文語に近い形で話しますから、まだわかりやすいですけど、アニメでは、特にティーネージャーの話が多いので、造語も多いし、実際に話している会話のスタイルが多いので、ちょっと分かりにくいかもしれないですよね。

「難しい」を「ムズイ」とか、「じゃあ、そう言う事でお願いします」を「じゃ、ってことで」なんて言われると、もう全然違って聞こえるし、わからないですよね。「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」のように子供のアニメでも、なかなか分かりにくいですよね。

アニメとまんがを活用しよう

でも私はアニメを観るなとは言いません。どんどん観てください。アニメも勉強になると私は思います。面白い事だったら苦にならないですよね。

例えば、ピカソの「ゲルニカ」を見て、凄いなあ〜と思って、それでも「ピカソも基本から勉強したんだ」と分かれば、自分も基礎から勉強したいと思うと思うし、すごいなと思ったそういう感動と言うのは、後で辛くなったときに、励ましてくれます。「そうだよな、あれはよかったなぁ」と思ったら、それが励みになって、勉強を続けていくことができます。

でも選ぶなら、最初はアニメよりマンガの方が分かりやすいかも知れませんね。まずはマンガで単語や表現を勉強して、そのあとで、アニメで聞き取りの練習をすると良いと思います。

漫画で人気が出てアニメになった作品は、たくさんあるし、アニメと漫画ではストーリーやセリフがほとんど同じなので、読むと聞くの両方を勉強する事ができてとてもいいと思います。

私も漫画が大好きで、子供の時、6-7歳ぐらいからマンガを読み始めて、ずっと大好きだから読んでいたんですけれども、おかげでみんなよりも早く、普通よりも早く漢字を読み仮名無しで読めるようになったり、沢山単語を覚えることが出来ました。

ただ、私はネイティブなので、マンガを読み始めた頃にはもう文法が大体わかっていたので、皆さんのように外国語として日本語を学ぶ方たちには、まずは、日本語の造りを覚える事をお勧めします。

日本語の構造を知ろう

日本語の構造。つまり、グラマーじゃなくて話す時に、どういう形で、どういう種類があって、誰とどうやって話すと言う、そういう構造ですね。その構造をまず理解することをお勧めします。そうすれば、マンガやアニメの台詞が、どこから来ているのかが、だんだんわかってきます。

日本語には、

・普通体 ご飯を食べる

・丁寧体 ご飯を食べます

・敬語 尊敬語 ご飯を召し上がる(召し上がります)

    謙譲語 ご飯をいただく(いただくます)

この三つの構造があります。

そして敬語には、自分の行動の為に使う謙譲語、そして相手為に使う尊敬語、この2つがあります。この2つを合わせて敬語といいます。

この3つは、誰と話しているか、誰に向かって書いているかによって、使い分けていきます。

普通体(informal)は友達や家族など、自分がリラックスして話すことができる人に対して使います。

丁寧体(formal)は、一番良く使います。誰にでも使います。知らない人、公の場で話す時はこの形です。良く間違えるのが、スペイン語ではformal と言う言い方をするので、とても丁寧な言葉だと勘違いしている人がいますが、これはごく一般的な話し方です。

だから、逆に、知らない人に普通体で話したら、怒られる時もあります。気をつけてください。

そして、丁寧体よりもっと丁寧な言葉を使いたい時、例えば上司やお客様とか、もっと丁寧に話したいときに敬語を使います。

たくさんあって大変ですよね。でもこれは避けて通れません。もし将来日本に住みたい、または、日本語を使って仕事をしたいと思っている人は特に、この構造を理解しておくようにしてください。

王道まんがはこれだ!

皆さん今のアニメやマンガは凄く詳しいですから、日本で誰もが知ってるクラシック、それをここではご紹介したいと思います。

日本のマンガのクラシックと言えば、まずは「ガラスの仮面」。現在最新刊の49巻(2012年に発売。以降、連載休止中)が発売中ですが、1976年の連載開始時に13歳だった主人公マヤは未だ21歳という、驚異の時間進行。私は子供の頃に読んだままでしたが、最近新しい巻をよんで、話の中ではまだ8年しか経っていないの!と驚愕しました。

マヤが女優として成長して行く物語で、特に最初の10巻ぐらいは波乱万丈なので、面白いです。1984年にはアニメ化、1997年、98年にはテレビドラマのシリーズにもなりました。

今の若い世代から、あなたのお父さんお母さん、ひょっとしたらお爺ちゃんお婆ちゃん世代まで、絶大的な人気を誇る、日本国内での売り上げ5000万部を超える、クラシックです。

そして今でもかなり笑えるのが「はいからさんが通る」。1975年から77年まで雑誌に連載さた全8巻で、アニメ化(1978-79)と映画化(1987)、2017年には舞台化、アニメ映画化されたロマンチックコメディの代表作です。

これも最近読み直して、余りに笑えて2日で一気に読んでしまいました。侍文化が終わって、西洋の文化が花咲く大正時代の話なので、その頃の日本を知るのにも役に立つマンガです。

マンガのサイトには、

コミックシーモア 

ブックライブ 

など、オンラインで、期間限定で無料でマンガが読めるシステムや、試し読みができるまんがサイトが沢山あるので、見てみてくださいね。

[Aprender Japonés] Si quieres aprender japonés con Anime y Manga アニメとマンガで日本語を勉強するなら

ilustration for cover photo: ノーコピーライトガール